1. 美容室の客単価とは:計算方法

客単価は、お客様1人が1回の来店で払う金額の平均です。月の売上を、その月に来たお客様の数で割って出します。

客単価月の売上÷月の来店客数
技術の客単価技術の売上÷来店客数(店販を除く)
新規・既存の客単価新規と既存のお客様に分けて同じ式で

例:月の売上が80万円で、来店が100人なら、客単価は8,000円です。店販を含めるかどうか、指名料を含めるかどうかで数字が変わるので、毎月同じ式で出し続けることが大切です。

売上は「来店客数×客単価」なので、売上を上げる道は、人数を増やすか、客単価を上げるかの2つです。新しいお客様を増やすには広告や時間がかかる一方、客単価は来ているお客様との間で上げられます。

CHECK POINT 01客単価=売上÷来店客数。店販や指名料を入れるかをそろえて、毎月同じ式で見ます。

2. 美容室の客単価の平均:国の統計から計算する

美容室の客単価そのものを全国でまとめた国の統計はありません。そこで、総務省の家計調査(二人以上の世帯)から、1回あたりの支払いを計算しました。家計調査には、1か月に使った金額と、100世帯あたり何回払ったか(購入頻度)が載っています。2025年9月から2026年8月までの12か月分を足して、金額を回数で割ると、次のようになります。

品目12か月の支出(1世帯)12か月の回数(100世帯あたり)1回あたりの目安
カット代(美容院)7,175円202回約3,600円
パーマネント代(カット込み)2,161円22回約9,800円
理髪料(理容店)4,863円166回約2,900円

家計調査の決まりでは、カット代にはシャンプー・トリートメント・セット代が、パーマネント代にはシャンプー・カット・トリートメント・セット代と指名料が含まれます。カラー(毛染め代)は、エステや着付けなどと一緒の「他の理美容代」に入るため、カラーだけの1回の金額は分けて出せません。

回数は毎月の数字が整数に丸められているので、1回あたりの金額は目安として見てください。また、1回の来店でカットとカラーを受けた場合、家計調査ではカット代と他の理美容代に分かれて記録されます。お店の客単価は、ここにカラーやトリートメントなどが足された金額になります。

CHECK POINT 02全国の目安はカット1回約3,600円、パーマ(カット込み)約9,800円。カラーは別の品目にまとめられています。

3. 平均と比べる前に、自分のサロンで見る3つの数字

全国の数字は、地域・客層・メニューの違いがすべて混ざった平均です。比べるときは、次の3つを自分のサロンの中で見るほうが、打ち手につながります。

  • メニューごとの客単価:カットだけの方、カラーの方、パーマの方で分ける。どのお客様に何を足せるかが見える
  • 1時間あたりの売上:客単価が高くても、時間が長ければ1日の売上は増えない
  • 年間の利用額:1回の客単価×年の来店回数。通う間隔も一緒に見る

とくに大事なのは、客単価と時間をセットで見ることです。カラーの放置時間のように、お客様が席にいるのに売上が生まれていない時間に重ねられるメニューなら、時間を延ばさずに客単価だけを上げられます。

CHECK POINT 03客単価は「時間」と「年の来店回数」と一緒に見ると、どこに足せばよいかが分かります。

4. 客単価を無理なく上げる3つの方法

1.同じ来店の時間に、もう1つのメニューを重ねる

お客様が「時間が延びるなら今日はいい」と断る理由をなくせる方法です。カラーの放置時間やパーマの待ち時間に、別の場所に移らずに受けられるメニューがあれば、来店の時間はほとんど変わりません(放置時間にララピールを入れる組み方)。

2.よく一緒に受けるメニューを、コースにまとめる

1つずつ勧めるより、「カット+カラー+ケア」のように最初から組んだコースを用意すると、お客様は選ぶだけで済みます。銀座のLUJUでは、カット+カラー+ララピール+髪質改善トリートメントを50,600円・3時間、リタッチ+カット+ララピールを31,900円・2時間の看板コースにしています。

3.料金そのものを見直す

原価や物価が上がっているなら、値上げも選択肢です。ただし、値上げは今のお客様全員にかかるので、何%離れても売上が変わらないかを計算してから決めます(美容室の値上げはいつ・いくら?)。

勧め方:お会計の前ではなく、施術中に

無理に勧めないためには、カウンセリングや施術中に、今日の髪や肌の状態に合わせて「こういうメニューもあります」と知っていただくだけにします。お会計の前に急に勧められると、お客様は断りにくく、次の来店をためらう原因にもなります。

CHECK POINT 04客単価を上げる順番は「時間に重ねる」→「コースにまとめる」→「料金を見直す」。勧めるのは施術中に、知っていただく形で。

5. 計算の例:客単価8,000円のサロンで比べる

月の来店100人・客単価8,000円(月の売上80万円)のサロンで、3つの方法を比べます。重ねるメニューは、ララピールの通常コース(12,000円)とします。導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。

方法計算客単価月の売上
今のまま80万円÷100人8,000円80万円
料金を10%上げる(離れる人0の場合)8,000円×1.18,800円88万円
3割の方がララピールを足す(80万円+30人×12,000円)÷100人11,600円116万円

※計算の例です。値上げは、お客様が1人も離れなかった場合の数字です。

ララピールの材料費は料金の1割ほど(通常コースで約1,000円)なので、増えた36万円のうち、材料費を引いても約33万円が残る計算です。席も人も増やさずに、カラーの放置時間に重ねて組めます。

CHECK POINT 05いつものお客様の3割が1つ足すだけで、客単価は8,000円から11,600円に上がる計算です。

6. 自分のサロンの客単価が、いくら上がるか確かめる

全国の数字は目安です。大事なのは、あなたのサロンの来店客数と今の客単価で、何をいくら足せるかです。

サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。導入できるのは、美容師免許があり、美容所で施術できる方です。

7. よくある質問

美容室の客単価の平均はいくらですか?

美容室の客単価だけをまとめた国の統計はありません。総務省の家計調査(2025年9月〜2026年8月)から計算すると、カット代は1回あたり約3,600円、パーマ代(カット込み)は約9,800円が全国の目安です。カラーは他の品目と一緒にまとめられているため、分けて出せません。

客単価の計算に店販は入れますか?

どちらでも構いませんが、毎月同じ式で出すことが大切です。技術の売上だけで出した「技術の客単価」と、店販を含めた客単価を分けて見ると、どこが伸びたかが分かりやすくなります。

客単価を上げると、お客様は離れませんか?

値上げは全員にかかるため、離れる方が出ることがあります。同じ来店の時間に重ねられるメニューを、希望する方にだけ受けていただく形なら、今の料金のまま客単価を上げられます。

客単価を上げるメニューは何がいいですか?

今のお客様が、時間を延ばさずに受けられるものが向いています。カラーの放置時間に重ねられて、材料費が軽く、続けて通う理由になるメニューを選ぶと、客単価と来店の両方につながります。

出典・参考にした資料

  1. 総務省統計局「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 品目分類 1世帯当たり1か月間の支出金額(購入頻度を含む)」2025年9月〜2026年8月(e-Stat)
  2. 総務省統計局「家計調査 収支項目分類及びその内容例示(令和7年1月改定)」

※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。