1. 美容師の数は増えている:4年で約3.8万人

「美容師に将来性はない」という声を見かけます。まずは、国の数字で美容師という仕事の大きさを確かめます。厚生労働省の衛生行政報告例には、毎年度末の美容所の数と、そこで働く美容師(従業美容師)の数が出ています。

年度末働く美容師美容所1か所あたりの美容師
2020年度549,935人257,890か所約2.13人
2021年度561,475人264,223か所約2.13人
2022年度571,810人269,889か所約2.12人
2023年度579,768人274,070か所約2.12人
2024年度588,291人277,752か所約2.12人

働く美容師は4年で38,356人(約7.0%)増えました。同じ4年で、働く理容師は210,849人から194,531人に減っています。髪を整える仕事全体の中で、美容師の仕事は増え続けている形です。

目を引くのは、1か所あたりの美容師が約2.1人のまま変わらないことです。美容師が増えた分だけ、小さなお店が増えています。独立して1人や2人で営む美容師が多く、お店どうしでお客様を分け合う形になりやすいことが、「将来性がない」と感じる理由の1つだと考えられます(美容室の経営が厳しい理由)。

CHECK POINT 01働く美容師は4年で約7%増。仕事は縮んでいませんが、小さなお店が増え、1店あたりのお客様は分け合う形です。

2. 地域で見ると:地方ほど1人・2人のお店が多い

同じ統計を都道府県別に見ると、1か所あたりの美容師の数は地域で大きく違います。

都道府県(2024年度末)働く美容師美容所1か所あたり
東京89,533人28,589か所約3.1人
大阪48,707人20,929か所約2.3人
全国588,291人277,752か所約2.1人
秋田4,508人2,903か所約1.6人
高知3,188人2,066か所約1.5人

地方では、1か所あたりの美容師が1人台の県もあります。1人や2人で営むお店では、担当できるお客様の数に上限があるので、売上を伸ばすには1回の単価を上げるしかない場面が多くなります。

CHECK POINT 02地方ほど1人・2人のお店が中心。人数で伸ばしにくいぶん、1回の単価が売上を左右します。

3. 美容師の給料は、経験10年ほどで伸びが止まる

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、雇われて働く「理容・美容師」の給料を、その仕事の経験年数別に見られます。働く人が10人以上の会社のフルタイムの方の数字です。

経験年数毎月の基本の給料(所定内)年間の賞与など年の目安
0年21.4万円0.5万円約257万円
1〜4年23.8万円4.9万円約290万円
5〜9年33.9万円12.0万円約418万円
10〜14年40.1万円16.4万円約498万円
15年以上39.6万円24.6万円約500万円

年の目安は「所定内給与×12+賞与など」で、残業代は入っていません。経験5年ごろから大きく伸び、10年を超えると、毎月の給料はほぼ横ばいになります。経験を積むだけで給料が上がり続ける仕事ではない、ということです。

※雇われて働く方の数字で、独立・業務委託・フリーランスの方や、働く人が9人以下のサロンの方は入っていません。年代別の数字は40代の美容師の年収で見られます。

CHECK POINT 03給料は経験10年ほどで約500万円の横ばいに。その先は、経験の長さではなく、扱える技術の幅で差がつきます。

4. これから伸びる美容師の3つの条件

1.手で行う仕事を持っている

美容師の仕事は、お客様に触れて、その場で仕上げる仕事です。予約の受付やお知らせは道具で軽くできても、施術そのものは美容師の手が要ります。美容師の数が増え続けているのは、その仕事がなくなっていないことの表れでもあります。

2.美容師免許で扱える範囲を広げている

美容師免許は、髪だけの免許ではありません。化粧品を使った顔の施術は、美容師法の「美容」に入るとされています(厚生省 昭和56年 環指第77号ほか)。まつ毛エクステンションも美容師免許が要る施術です。免許で扱える範囲は、多くの美容師が思っているより広く、その幅を使えている美容師は、同じお客様に別の価値を届けられます。

3.1回の来店の価値を上げられる

経験10年ほどで給料が横ばいになり、1日に担当できる人数にも上限がある以上、収入を上げる道は1回の来店の価値です。長く通ってくださるお客様に、髪と一緒に受けていただけるメニューがあれば、人数を増やさずに売上が伸びます(美容室の客単価の平均と上げ方)。

CHECK POINT 04将来性は、仕事の数ではなく、一人ひとりの技術の幅で決まります。

5. 技術の幅を広げる例:髪の来店に顔のケアを足す

美容師免許で扱える顔のケアの1つが、ララピールです。機械を使わず、専用の筆で2つの液を順に塗る施術で、カラーと同じ日にでき、カラーの放置時間(20〜30分)に重ねられます。講習は1回で、美容師免許があればスタイリストでもアシスタントでも受けられ、韓国本社認定のディプロマが店舗ごとに発行されます。

計算(例)数字メモ
月に担当するお客様70人例
ララピールを受ける方21人導入サロンの平均3割
1回で残るお金約11,000円通常コース12,000円−材料費 約1,000円
月に残るお金約23.1万円21人×約11,000円

※計算の例です。雇われている場合や業務委託の場合は、受け取る額は給料の決まりや歩合で変わります。数字は目安で、売上を約束するものではありません。導入できるのは、美容師免許があり、美容所で施術できる方です。

CHECK POINT 05免許で扱える範囲を1つ広げると、同じお客様の1回の来店の価値が変わります。

6. 自分の技術の幅で、数字を確かめる

美容師という仕事の数は増えています。大事なのは、その中であなたが、同じお客様にどれだけの価値を届けられるかです。今の担当のお客様で、技術を1つ足したらいくらになるかを先に計算しておくと、これからの働き方を選びやすくなります。

サロン診断では、働き方・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。講習で習う中身はララピールの導入講習で習うことにまとめています。

7. よくある質問

美容師は将来なくなる仕事ですか?

国の統計では、働く美容師は2020年度末の549,935人から2024年度末の588,291人へ、4年で約7%増えています。数で見る限り、仕事は縮んでいません。

美容師の給料は経験で上がりますか?

令和7年の賃金構造基本統計調査(理容・美容師)では、経験5〜9年で毎月の基本の給料は33.9万円、10〜14年で40.1万円、15年以上で39.6万円と、10年ほどで横ばいになります。

美容師免許で顔のケアはできますか?

化粧品を使った顔の施術は、美容師法の「美容」に入るとされています(厚生省 昭和56年 環指第77号ほか)。美容所として届け出たお店で行います。

美容師の将来性を上げるには何をすればいいですか?

1日に担当できる人数には上限があるので、美容師免許で扱える技術の幅を広げ、同じお客様の1回の来店の価値を上げることが近道です。

出典・参考にした資料

  1. 厚生労働省「衛生行政報告例」統計表4 生活衛生関係施設(者)数(令和2年度〜令和6年度)
  2. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第10表 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)
  3. 美容師法(昭和32年法律第163号)(e-Gov 法令検索)

※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。