1. メニュー表の役目:予約の前の迷いをなくす
メニュー表は、お客様がご予約の前に「いくらで、何分で、何をしてもらえるか」を確かめる場所です。値段だけが並んでいると、「長さで料金は変わる?」「シャンプーは入っている?」と迷い、問い合わせや予約の取りやめにつながります。
1つのメニューごとに、次の4つを書くと迷いが減ります。
| 書くこと | 例 | ないと起きること |
|---|---|---|
| 料金(税込) | 12,100円 | お会計で「思っていたより高い」 |
| 時間 | 約2時間 | ご予約の後の用事が組めない |
| 含まれるもの | シャンプー・ブロー込み | 追加料金の心配で予約をためらう |
| 追加料金の条件 | 肩より長い方は+1,100円 | 当日の説明で気まずくなる |
紙のメニュー表でも、予約サイトやホームページのメニューでも、書くことは同じです。
2. 値段の書き方:税込の総額で書く決まり
お客様に向けて値段を書くときは、消費税を含めた総額で書く決まりがあります(消費税法の総額表示の義務。令和3年4月1日から、税抜だけの表示の特例は終わりました)。店頭の表示・チラシ・広告など、どんな媒体で書くかは問わないとされています(口頭で伝える値段は対象外)。
| 書き方の例 | 総額表示になるか |
|---|---|
| 11,000円 | なる |
| 11,000円(税込) | なる |
| 11,000円(税抜価格10,000円) | なる |
| 10,000円(税込価格11,000円) | なる(税込の額が書いてある) |
| 10,000円(税抜) | ならない |
| 10,000円+税 | ならない |
※国税庁・財務省の案内の例をもとにしています。税込の額が一目で分かることが大切です。
「通常○円→初回○円」と書くときの注意
新規の方向けの割引を、もとの値段と並べて書くことはよくあります。このとき、比べるもとの値段は、実際にしばらく売っていた値段である必要があります(景品表示法の二重価格表示の考え方。消費者庁)。一度も売っていない「通常価格」を作って並べると、不当な表示になるおそれがあります。
3. 選ばれる並べ方:4つの順番
1.いちばん選んでほしいコースを上に
カット・カラー・パーマを単品で順に並べると、お客様は単品から選びます。サロンとしていちばん受けていただきたい組み合わせがあるなら、それをコースにして、メニュー表のいちばん上に置きます。
2.単品は、来店の理由になる順に
単品は、カット→カラー→パーマ→トリートメントのように、ご来店のきっかけになりやすい順に並べると探しやすくなります。
3.オプションは、本メニューのすぐ下に
オプションをメニュー表の最後にまとめると、見られないまま終わります。カラーのすぐ下に「+何分・+何円」で並べると、一緒に選んでいただきやすくなります(オプションメニューの作り方)。
4.通うメニューには、通う目安を書く
続けて受けていただくメニューは、「最初の5〜6回は1〜2週間おき」のように、通う目安も書いておきます。お客様が次のご予約を考えやすくなります。
4. 並べる前に:1時間あたりの売上を出す
どのメニューを目立たせるかは、好みではなく数字で決めます。各メニューの料金を時間で割り、1時間あたりの売上を出してみてください。
| メニューの例 | 料金 | 時間 | 1時間あたり |
|---|---|---|---|
| カット | 5,500円 | 1時間 | 5,500円 |
| カット+カラー | 13,200円 | 2時間 | 6,600円 |
| カット+カラー+放置時間に重ねる顔のケア | 25,200円 | 2時間30分 | 約10,080円 |
※料金と時間は計算の例です。顔のケアは12,000円・カラーの放置時間に重ねて30分延びる例で計算しています。
日本政策金融公庫の調べ(2025年度、美容業)の1人あたりの売上から計算すると、美容室の1時間あたりの売上の目安は約5,300円です(時間単価の計算方法と平均)。1時間あたりの売上が高いメニューほど、メニュー表の上や目に入る場所に置く価値があります。
5. 見本:銀座のLUJUのメニュー
このサイトを運営するLUJU(銀座)は、一人営業でセット面が1つの美容室です。メニュー表のいちばん上には、髪と顔のケアを組み合わせたコースを置いています。
| コース | 料金 | 時間 | 1時間あたり |
|---|---|---|---|
| カット+カラー+ララピール+髪質改善トリートメント | 50,600円 | 3時間 | 約16,870円 |
| リタッチ+カット+ララピール | 31,900円 | 2時間 | 15,950円 |
| ララピール単品 | 15,000円 | 1時間 | 15,000円 |
どのコースも、1時間あたり15,000円前後になるように組んでいます。カラーの放置時間(15〜25分)にララピールの2つ目の工程まで進め、シャンプーの間に置く時間をとるので、顔のケアを足しても時間が大きく延びません。
メニュー表の下には、次のご予約の特典(次回予約で10%引き、または30日以内にもう一度ララピールで3,000円引きのどちらか一方)も書いています。2回目以降のリピート率は95%、来店の周期は41日です。
6. メニュー表を作る5つの手順
- 1.今のメニューを全部書き出す:料金・時間・含まれるもの・追加の条件を1行ずつ
- 2.時間を測り直す:カウンセリングから仕上げまで、実際にかかっている時間で
- 3.1時間あたりの売上を出す:料金÷時間。低いメニューは、組み合わせや値段を見直す
- 4.並べる:上にコース、次に単品、オプションは本メニューのすぐ下
- 5.税込の総額で書く:割引ともとの値段を並べるときは、実際に売っている値段で
見た目のデザインは、無料のテンプレートや印刷のサービスでも整えられます。ただ、選ばれるかどうかを決めるのは、デザインより中身と並べ方です。先に中身を決めてから、デザインに進んでください。
1時間あたりの売上が低いメニューばかりなら、メニュー表を書き直す前に、組み合わせられるメニューを1つ持つことを考えます。ララピールは、カラーの放置時間に重ねられる顔のケアで、導入しているサロンではいつものお客様の平均3割が注文しています。講習のあとは、ポスターやPOPもそろった状態で始められます。
7. 自分のメニュー表を、数字で見直す
まずは今のメニュー表の1時間あたりの売上を出して、いちばん高いメニューが上にあるかを確かめてみてください。
サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。
8. よくある質問
美容室のメニュー表には何を書けばいいですか?
1つのメニューごとに、税込の料金・時間・含まれるもの・追加料金の条件の4つを書くと、ご予約の前の迷いが減ります。
メニュー表の値段は税抜で書いてもいいですか?
お客様に向けた値段は、消費税を含めた総額で書く決まりがあります。「10,000円(税込価格11,000円)」のように税込の額が分かれば、税抜の額を一緒に書いても構いません。
メニューはどんな順番で並べればいいですか?
いちばん選んでほしいコースを上に、次に単品を来店の理由になる順に、オプションは本メニューのすぐ下に並べます。どれを上に置くかは、1時間あたりの売上で決めると迷いません。
「通常価格」と割引の値段を並べて書いてもいいですか?
比べるもとの値段が、実際にしばらく売っていた値段なら書けます。売ったことのない値段を「通常価格」として並べると、景品表示法の不当な表示になるおそれがあります。
出典・参考にした資料
- 国税庁 タックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付け
- 財務省「令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!」
- 消費者庁「二重価格表示」(不当な価格表示についての景品表示法上の考え方)
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 業種別経営指標(美容業)
- LUJU(銀座)のメニューと施術の組み方(運営会社の自店)
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。





