1. 美容室の利益率の平均:公的な調べの最新の数字
日本政策金融公庫は、お金を貸した小さな会社(法人・働く人50人未満)の決算書から、業種ごとの経営の数字を2年に1度まとめています。2026年8月に出た2025年度の調べで、美容業は555社が対象でした。
| 数字 | 全体の平均 | 黒字の会社の平均 | 真ん中の会社(中央値) |
|---|---|---|---|
| 売上高総利益率 | 84.4% | 84.8% | 87.6% |
| 売上高営業利益率 | −1.9% | 5.1% | 0.1% |
| 人件費の割合 | 41.9% | 38.4% | 43.8% |
| 諸経費の割合 | 36.2% | 33.5% | 35.0% |
| 働く人1人あたりの年の売上 | 1,113万円 | 1,318万円 | 805万円 |
| 椅子1台あたりの年の売上 | 788万円 | 903万円 | 657万円 |
「黒字の会社」は、黒字で自己資本もプラスの238社の平均です。全体で見ると、営業利益はほぼゼロ。黒字の会社でも、売上の5%ほどが本業の利益として残る形です。
2. 数字の読み方:営業利益が低く見える理由
営業利益率がほぼゼロと聞くと驚きますが、この数字には注意点があります。調べの案内にも、小さな会社では人件費に占めるオーナーや家族の分が多いことがあり、数字が実態をそのまま映すとは限らないと書かれています。人件費には役員報酬も含まれます。
- オーナーの給料は人件費に入っている:法人の場合、オーナーの役員報酬は人件費です。営業利益がゼロでも、オーナーの収入がゼロという意味ではありません
- 法人だけの数字:個人事業のサロンは入っていません
- 黒字と全体の差は、人件費と諸経費:売上総利益率はほぼ同じで、差が出ているのは人件費(41.9%と38.4%)と諸経費(36.2%と33.5%)です
黒字の会社は、働く人1人あたりの売上が全体より約200万円多くなっています。人件費や家賃は急には減らせないので、同じ人数で売上を増やせたかどうかが、利益の差になっていると読めます。
3. 美容室の利益率の計算方法
自分のサロンの数字は、決算書か、月の売上と経費の表から計算できます。
例:月の売上100万円・材料費15万円・人件費40万円・家賃などの経費40万円なら、売上総利益率は85%、営業利益率は5%です。
1人営業でオーナーの給料を経費に入れていない場合は、営業利益がそのままオーナーの手元に残るお金に近くなります。公的な調べの数字と比べるときは、オーナーの給料をどう扱っているかをそろえてください。
4. メニューごとの残り方:足したときに利益になるのはどれか
美容業の原価は、平均で売上の約16%(100%−84.4%)です。ここから、新しいメニューを足したときにどれだけ利益が増えるかを考えます。
大事なのは、人件費と家賃はメニューを1つ足しても、ほとんど変わらないことです。今の席・今の人・今の時間の中で足せるメニューなら、材料費を引いた分の多くが、そのまま営業利益に上乗せされます(歩合で払う分は別に引きます)。
| メニュー | 料金 | 材料費 | 1回で残るお金 |
|---|---|---|---|
| ララピール 通常コース | 10,000〜12,000円 | 約1,000円 | 約9,000〜11,000円 |
| ララピール 全メニュー | 12,000〜15,000円 | 約1,100円 | 約10,900〜13,900円 |
| ララピール+マスク | 15,000〜20,000円 | 約2,500円 | 約12,500〜17,500円 |
ララピールの材料費は料金の1割ほどで、美容業の平均の原価(約16%)より軽いメニューです。施術は機械を使わず、カラーの放置時間に重ねられるので、席も人も増やさずに組めます(放置時間にララピールを入れる組み方)。
5. 計算の例:営業利益率5%のサロンに足すと
月の売上100万円、営業利益率5%(月5万円)のサロンで、月に10回・20回ララピールの通常コース(12,000円)が入った場合を計算します。人件費と家賃は変わらない前提です。
| 月の回数 | 増える売上 | 増える残るお金 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 0回 | − | − | 5万円(5%) |
| 10回 | 12万円 | 約11万円 | 約16万円(約14%) |
| 20回 | 24万円 | 約22万円 | 約27万円(約22%) |
※計算の例です。歩合で払う分や、施術の時間が新しく必要になる場合の人件費は入れていません。導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。月の来店が70人のサロンなら、約20回にあたります。
導入費用の中には約100名分の施術の材料が入っています。費用の考え方は導入費用と、1回の施術で残るお金にまとめています。
6. よくある質問
美容室の利益率の平均はどれくらいですか?
日本政策金融公庫の2025年度の調べ(法人・働く人50人未満の555社)では、営業利益率の平均が−1.9%、黒字で自己資本がプラスの会社の平均が5.1%、売上総利益率の平均が84.4%です。
美容室の利益率はどう計算しますか?
売上総利益率は(売上−材料などの原価)÷売上×100、営業利益率は(売上総利益−人件費−家賃などの経費)÷売上×100で計算します。オーナーの給料を経費に入れているかどうかで数字が変わるので、比べるときはそろえてください。
美容室の利益率が低いのはなぜですか?
売上の約4割が人件費、約3〜4割が家賃などの経費で、材料を引いたあとの多くが固定の費用に回るためです。小さな会社ではオーナーの給料も人件費に入るので、営業利益が低く見える面もあります。
利益率を上げるには、材料費を下げるべきですか?
美容業の平均で材料などの原価は売上の約16%で、黒字の会社と全体でほとんど差がありません。差が大きいのは人と時間あたりの売上なので、材料費の軽いメニューを今の時間の中で足すほうが、利益に効きやすくなります。
出典・参考にした資料
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。




