1. アイリストに美容師免許がいるのは、まつエクが「美容」だから

「まつエクの資格」と聞くと、スクールの修了証や民間の検定を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれども、まつげの施術を仕事にするために法律で決まっているのは、国家資格の美容師免許です。

美容師法では、「美容」を「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と決めています(第2条)。厚生労働省は平成20年3月7日の通知(健衛発第0307001号「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」)で、まつ毛エクステンションはこの「美容」にあたると示しました。

通知が出た背景には、施術のあとに目やまぶたのトラブルが起きたという相談が、消費生活センターなどに寄せられていたことがあります。目のすぐそばで接着剤を使う施術だからこそ、美容師法の決まりが当てはまることがはっきり示されました。いまも厚生労働省のページで、施術者には美容師免許が必要で、届出の無い場所では施術できないと案内されています。

CHECK POINT 01まつエクは美容師法の「美容」。だから必要なのは民間の資格ではなく、国家資格の美容師免許です。

2. 条文で見る:アイリストにかかわる美容師法の決まり

アイリストの仕事にかかわる条文を、短くまとめました。条文はどれも e-Gov 法令検索で読めます。

条文決まっていることアイリストにとっての意味
第2条「美容」とは化粧等の方法で容姿を美しくすることまつエクもここに入る(平成20年の通知)
第6条美容師でなければ、美容を業としてはならない免許が無いと施術を仕事にできない
第7条美容師は、美容所以外の場所で業をしてはならない自宅や出張でも、届け出た美容所でなければできない
第11条美容所を開くときは、あらかじめ都道府県知事に届け出る独立するときは保健所へ届け出る
第12条構造設備の検査を受け、確認を受けてから使う届け出て、検査を受けてから営業を始める
第12条の3美容師が常に2人以上いる美容所には管理美容師を置くスタッフを雇うと必要になる
第18条第6条・第11条などに反すると30万円以下の罰金無免許の施術・届出なしの営業は罰則がある

第7条にはただし書きがあり、美容師法施行令の第4条で、病気などで美容所に来られない方への施術や、婚礼などの儀式の直前の施術といった場合が決められています。ふつうの営業として、出張でまつげの施術をすることはできません。

CHECK POINT 02免許(第6条)と美容所(第7条)はセット。どちらか片方だけでは、まつげの施術を仕事にできません。

3. 美容師免許なしでアイリストはできる?

「アイリスト 美容師免許なし」で調べる方は少なくありません。結論から言うと、免許の無い人がお客様のまつげにエクステンションを付けることを仕事にすると、第6条に反します。研修中だから、スクールの修了証があるから、という理由では認められません。

お客様の側から見ても大事な点です。厚生労働省は、施術で被害が出たときや、美容師ではない人が施術していると思われるときは、消費生活センターや保健所に相談するよう案内しています。免許と美容所の届出は、お客様が安心してお店を選ぶための目印でもあります。

まつげパーマや眉のワックスなど、エクステンション以外の施術の扱いは、資料によって書き方が分かれます。ここでは言い切らず、店のある地域の保健所に確かめることをおすすめします。

CHECK POINT 03免許が無いまま施術を仕事にすることはできません。迷う施術は、地域の保健所に確かめるのが確実です。

4. 美容師免許を取るまでの流れ

美容師免許は、美容師試験に合格した人が厚生労働大臣から受ける免許です(第3条)。試験を受けるには、都道府県知事が指定した美容師養成施設で決められた期間学ぶ必要があります(第4条)。

  • 1.美容師養成施設で学ぶ:昼間課程・夜間課程・通信課程がある(第4条)。通信課程は、昼間か夜間の課程を持つ学校だけが設けられる
  • 2.美容師試験を受ける:美容師として必要な知識と技能を確かめる国家試験(第4条)
  • 3.免許を受ける:合格したあと、申請して厚生労働大臣の免許を受ける(第3条)

働きながら通える通信課程を選ぶアイリストもいます。学ぶ期間や費用は学校によって違うので、志望する学校の募集要項で確かめてください。

全国の数字も見ておきます。厚生労働省によると、令和6年3月末の美容所は27万4,070施設、そこで働く美容師は57万9,768人です。1つの美容所あたり約2.1人で、少人数のお店が多いことが分かります。

美容所の数(令和6年3月末)27万4,070施設
働いている美容師(同)57万9,768人
1つの美容所あたり約2.1人

※「1つの美容所あたり」は、美容師の数÷美容所の数で出した計算の例です。

5. 美容師免許があるアイリストにできること

免許を「まつエクのために仕方なく取るもの」と考えるのは、もったいない見方です。美容師法の「美容」には化粧等の方法で容姿を美しくすることが広く入るので、免許を持つアイリストは、まつげ以外のメニューも美容所で出せます。

化粧品を使った顔のケアも「美容」

化粧品を使って顔を整える施術も、美容師法の「美容」に入るとされています(厚生省 昭和56年4月25日 環指第77号/厚生労働省 平成19年10月2日 健衛発第1002001号)。つまり、まつげの施術と同じお店で、同じ免許のまま、顔のケアのメニューを足せます。

できないこともはっきりしている

一方で、酸で表皮をはがして、しみやしわを取るような行為は医業とされています(平成12年 医事第59号)。美容所で出せるのは、化粧品で肌を整えるところまでです。メニューを足すときは、この線を越えないものを選ぶことが大切です。

  • できる:まつ毛エクステンション、化粧品を使った顔のケアなど、美容所で行う「美容」
  • できない:医業にあたる行為(酸で表皮をはがしてしみ・しわを取るなど)
  • 確かめる:まつげパーマ・眉の施術の細かい扱いは、地域の保健所へ

給料の面でも、メニューの幅は効いてきます。アイリストの給料は売上と歩合で決まるので、1回の単価を上げられるメニューを持つことが近道です(アイリストの給料の平均と手取り)。

CHECK POINT 04美容師免許は、まつげ以外の「顔のケア」も美容所で出せる免許。足すなら、医業にあたらない化粧品のケアを選びます。

6. 免許を持つアイリストの選択肢:ララピール

顔のケアの1つとして、美容室で導入されているのが、韓国 H2MEDI のピーリング「ララピール」です。メーカーは「剥がさずに整える、新しい世代のピーリング」と説明していて、日本では化粧品として届け出て輸入しています。

  • 機械はいらず、まつげのサロンならベッドや倒れる椅子でそのままできる
  • まつげパーマ・眉のワックスと同じ日にできる
  • 通常コースは30〜40分。講習は1回(対面かZoom)で、フェイシャル未経験でもその日からメニューに出せる
  • 美容師免許があれば受けられる。免許の無い人は施術できない

週に2人、まつげのお客様が一緒に受けてくださった場合で計算してみます。通常コースは1回10,000〜12,000円で、材料費は料金の1割ほどです。

計算数字メモ
週に受ける方2人例
月の回数8回2人×4週
1回で残るお金約11,000円12,000円−材料費約1,000円
月に残るお金約8.8万円8回×約11,000円

※計算の例です。売上を約束するものではありません。導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。美容室で導入するときの流れはララピールは美容室でできる?にまとめています。

CHECK POINT 05免許を持っているからこそ選べるメニュー。ベッドのまま、まつげと同じ日に組み合わせられます。

7. 自分のサロンにいくら足せるか、数字で確かめる

サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。まつげのサロンでどう組み合わせるかは、レポートから予約できるオンライン面談(Google Meet)でご案内します。

8. よくある質問

アイリストに美容師免許がいるのはなぜですか?

まつ毛エクステンションは美容師法の「美容」にあたると、厚生労働省が平成20年3月7日の通知で示しているためです。美容師でなければ美容を業にできず(第6条)、美容所以外では業ができません(第7条)。

美容師免許なしでまつエクの仕事はできますか?

免許の無い人が、まつげにエクステンションを付けることを仕事にすると、美容師法第6条に反します。第6条に反すると30万円以下の罰金の決まりがあります(第18条)。

アイリストが1人で独立するとき、管理美容師はいりますか?

管理美容師が必要なのは、美容師である従業者が常に2人以上いる美容所です(第12条の3)。1人で営業する場合は当てはまりませんが、美容所の届出(第11条)と検査(第12条)は必要です。

まつげパーマや眉の施術にも美容師免許はいりますか?

エクステンション以外の施術の扱いは、資料によって書き方が分かれます。言い切らず、店のある地域の保健所に確かめるのが確実です。

アイリストでもララピールを導入できますか?

美容師免許があり、美容所で施術できる方なら導入できます。ベッドや倒れる椅子でそのままでき、まつげパーマや眉のワックスと同じ日にも行えます。

出典・参考にした資料

  1. 美容師法(昭和32年法律第163号)e-Gov 法令検索
  2. 美容師法施行令 第4条(e-Gov 法令検索)
  3. 厚生労働省「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」ほか(まつ毛エクステンションの注意喚起)
  4. 厚生労働省「美容業の概要」(美容所数・従業美容師数 令和6年3月末現在)

※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。