1. 新メニューを足しても売上が伸びないのはなぜ?
新メニューを始めたのに、思ったほど売上が伸びない。よくある理由は次の3つです。
- 時間を取り合う:新メニューに時間がかかり、その分カットやカラーのご予約が入らない
- 新しいお客様を集めないと売れない:今のお客様に合わず、広告を出してお客様を集め直すことになる
- 1回きりで終わる:続けて受ける理由がなく、始めた月だけ売れて止まる
つまり、新メニューは「何を足すか」より「今のサロンの時間・席・お客様に重ねられるか」で、伸びるかどうかが決まります。
2. 新メニューを選ぶ5つの条件
候補を比べるときは、次の5つを順に確かめます。
| 条件 | 確かめること | よい状態 |
|---|---|---|
| 1.時間 | 今のご予約の時間に重ねられるか | カラーの放置時間などに重なり、ご予約の枠が延びない |
| 2.場所 | 今の席や設備でできるか | 新しい機械や部屋がいらない |
| 3.材料費 | 料金のうち材料費が何割か | 美容業の平均(約16%)より軽い |
| 4.技術 | 誰が・どれくらいで出せるようになるか | 今のスタッフが短い講習で出せる |
| 5.通う間隔 | 続けて受ける理由と間隔があるか | 髪の来店のあいだに、もう1回来る理由になる |
材料費の「約16%」は、日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度、美容業)で、売上総利益率が平均84.4%であることから計算した目安です(100%−84.4%。売上原価には材料のほか店販の仕入れなども入ります。くわしくは美容室の利益率の平均)。
法律の面も確かめます。化粧品を使った顔の施術は美容師法の「美容」に入るとされ、美容師免許のある人が美容所で行えます。一方、酸で皮ふをはがしてしみ・しわを取る行為は医業とされ、美容師はできません。迷ったら、店のある地域の保健所に確かめてから始めます。
3. 新メニューの候補を5つの条件で比べる
美容室でよく候補にあがるメニューを、5つの条件で並べました。○△は一般的な目安で、使う商材や組み方で変わります。材料費と講習の長さは、メーカーや講習先の資料で確かめてください。
| 候補 | 時間(重ねる) | 場所 | 材料費 | 技術 | 通う間隔 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヘッドスパ | △ 時間が延びる | ○ シャンプー台 | 商材で確かめる | △ 練習が要る | ○ |
| 髪質改善のトリートメント | △ 時間が延びる | ○ 今の席 | 商材で確かめる | ○ | ○ |
| まつげパーマ | × 別の枠が要る | △ 倒れる椅子かベッド | 商材で確かめる | △ 練習が要る | ○ |
| 化粧品を使った顔のケア(ララピール) | ○ 放置時間に重ねられる | ○ シャンプー台とセット面 | ○ 料金の約1割 | ○ 講習1回 | ○ 1〜2週間おきから |
どのメニューにもよい所があります。大事なのは、自分のサロンで「どの時間が空いているか」です。ご予約のすき間が多いサロンなら時間が延びるメニューでも埋められますし、ご予約が詰まっているサロンなら、時間が延びないメニューのほうが売上を足せます。
4. 1時間あたりに残るお金で決める
最後は、新メニューが1時間あたりにいくら残すかで比べます。比べる相手は、今のサロンの1時間あたりの売上です。日本政策金融公庫の調べ(2025年度、美容業)の1人あたりの売上から計算すると、平均の目安は1時間あたり約5,300円です(時間単価の計算方法と平均)。
| 例 | 料金 | 材料費 | 時間 | 1時間あたりに残る |
|---|---|---|---|---|
| ララピール+マスク | 15,000円 | 約2,500円 | 60分 | 約12,500円 |
| ララピール通常コース | 12,000円 | 約1,000円 | 約40分 | 約16,500円 |
| 美容業の平均(参考) | − | − | 60分 | 約5,300円(売上) |
※料金はLUJU(運営会社の自店)の単品と、通常コースの相場の上の値です。通常コースは施術時間30〜40分のうち40分で計算しています。美容業の平均は売上の目安で、材料費を引く前の数字です。
通常コースをカラーの放置時間に重ねれば、スタイリストの時間はさらに少なくて済みます。新メニューを選ぶときは、自分のサロンの今の1時間あたりの売上と、この表のように並べて比べてください。
5. 新メニューを始めるときの3つの手順
1.まず、今のお客様に試していただく
新しいお客様を集める前に、いつものお客様にモニターとして受けていただきます。写真とご感想を、掲載のご了承をいただいたうえでそろえると、メニュー表やSNSで見せやすくなります。
2.本メニューのすぐ下に、時間と値段を書く
メニュー表の最後にまとめず、カラーのすぐ下に「+何分・+何円」で並べます。くわしくはオプションメニューの作り方にまとめています。
3.次の時期を決めて、ご予約をいただく
通う間隔のあるメニューは、施術中に次の時期をお伝えし、その場で次のご予約をいただきます。ララピールなら、最初の5〜6回は1〜2週間おきです。
導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。講習は1回で、講習のあとは解説動画・カウンセリングシート・同意書・ポスターやPOPなどがそろった状態で始められます。
6. 自分のサロンに合う新メニューを、数字で確かめる
5つの条件のうち、どれがそろっていてどれが足りないかは、サロンごとに違います。まずは自分のサロンの1時間あたりの売上と、空いている時間を書き出してみてください。
サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。
7. よくある質問
美容室の新メニューは何を基準に選べばいいですか?
時間・場所・材料費・技術・通う間隔の5つで比べます。今の席と人のまま、今のお客様のご予約に重ねられるものほど、足したあとに売上が伸びやすくなります。
新メニューの材料費は、どれくらいが目安ですか?
日本政策金融公庫の調べ(2025年度、美容業)では売上総利益率が平均84.4%で、売上原価は売上の約16%です。新メニューの材料費が料金のこれより軽ければ、利益を残しやすいメニューと言えます。
美容師免許で、顔のケアのメニューを足せますか?
化粧品を使った顔の施術は美容師法の「美容」に入るとされ、美容師免許のある人が美容所で行えます。酸で皮ふをはがしてしみ・しわを取る行為は医業とされ、できないので、迷ったら保健所に確かめてください。
新メニューは新しいお客様を集めないと売れませんか?
まずは今のお客様に試していただくのが近道です。今のお客様のご予約に重ねられるメニューなら、広告でお客様を集め直さなくても売上を足せます。
出典・参考にした資料
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 業種別経営指標(美容業)
- 美容師法(昭和32年法律第163号)第6条・第7条(e-Gov 法令検索)
- LUJU(銀座)のメニューと施術の組み方(運営会社の自店)
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。




