1. アイリストの業務委託とは:雇用との3つのちがい

業務委託は、サロンと「施術をする」という仕事の契約を結んで働く形です。サロンの社員やアルバイトとして雇われる形とは、次の3つがちがいます。

雇われて働く業務委託
お金給料(固定給+歩合など)報酬(売上×取り分の割合など)
保険・年金会社の健康保険・厚生年金(保険料は会社と半分ずつ)国民健康保険・国民年金に自分で入り、全額を自分で払う
税金給料から引かれ、年末調整自分で確定申告して払う

業務委託でも、まつげエクステンションやまつげパーマを行うには、美容師免許が要り、施術は保健所に届け出た美容所の中で行います(美容師法 第6条・第7条)。業務委託だからといって、自宅や出張で施術してよいことにはなりません。くわしくはアイリストに美容師免許がいる理由にまとめています。

CHECK POINT 01業務委託は「雇われない」働き方。ただし免許と美容所の決まりは、雇われている人と同じです。

2. 取り分の割合だけで比べると、損をする理由

求人では「取り分50%」「60%」のように割合が目立ちます。けれど、手元に残る額は、材料費(グルー・エクステ・ロッドなど)や、予約サイトの手数料をどちらが持つかで変わります。

月の売上が60万円のアイリストが、次の2つの契約を比べた例です。

計算契約A契約B
月の売上60万円60万円
取り分の割合50%60%
受け取る報酬30万円36万円
材料費サロンが持つ(0円)自分で持つ(例:月6万円)
材料費を引いた額30万円30万円

※割合と材料費は計算の例です。実際の割合や材料費は、サロンや契約ごとに違います。

取り分が10%高い契約Bでも、材料費を自分で持つと、手元に残る額は契約Aと同じになりました。割合を比べるときは、材料費・手数料・タオルや消耗品の負担を同じ表に並べてから比べます。

CHECK POINT 02割合の高さより「材料費を引いたあと」で比べる。10%の差は、材料費で消えることがあります。

3. 業務委託の手取りの計算:国民年金は月17,920円

受け取った報酬から、さらに自分で払うものがあります。金額がはっきりしているのは国民年金です。令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の国民年金の保険料は、月17,920円です(日本年金機構)。

受け取る報酬(契約Aの例)月30万円
国民年金−17,920円
国民年金を引いた額約28.2万円

ここから、国民健康保険の保険料と、所得税・住民税を払います。国民健康保険は住んでいる市区町村と前の年の所得で決まるので、お住まいの役所のページで計算するか、窓口で聞いて確かめます。経費(材料費・道具・交通費など)は、確定申告で所得から差し引けるので、領収書を残しておきます。

雇われて働く場合は、健康保険と厚生年金の保険料を会社が半分払っています。業務委託の報酬が雇用の給料と同じ額でも、手元に残る額は少なくなりやすいので、同じ額面で比べないことが大切です。

CHECK POINT 03報酬から国民年金(月17,920円)・国民健康保険・税金を自分で払う。比べるのは「全部引いたあと」。

4. アイリストの業務委託のメリット・デメリット

メリットデメリット
収入売上が上がるほど報酬がそのまま増える予約が少ない月は報酬もそのまま減る
時間働く日や時間を相談して決めやすい休んだ日は売上が生まれない
お客様自分の指名のお客様を育てやすい集客をサロン任せにすると、売上が伸びにくい
手続き経費を確定申告で差し引ける保険・年金・確定申告を自分で行う

契約の前に確かめること

  • 取り分の割合と、その計算のもとになる売上(税込か税抜か・割引後か)
  • 材料費・予約サイトの手数料・消耗品をどちらが持つか
  • 報酬を払う日。フリーランス法では、取引の条件をはっきり示すことや、報酬を決められた期日までに払うことが決められています
  • 施術する美容所の届出と、管理美容師がいるか
  • 自分でメニューを足したいとき、サロンと相談できるか
CHECK POINT 04契約で確かめるのは、割合・負担・払う日・美容所・メニューを足せるかの5つ。

5. 業務委託のアイリストが手取りを増やすコツ:1回の単価

業務委託の報酬は「売上×取り分」なので、割合の交渉より、売上そのものを上げるほうが自分で動かせます。売上は「お客様の数×1回の単価」。1人で受けられるお客様の数には上限があるので、効くのは1回の単価です。

まつげのサロンなら、まつげの施術と同じ日に、今のベッドのまま受けていただける顔のケアを足す方法があります。ララピールは、まつげパーマと同じ日にでき、通常コースは30〜40分・1回10,000〜12,000円が相場で、材料費は料金の1割ほどです。導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。

計算数字メモ
月に担当するお客様60人例
ララピールを受ける方18人導入サロンの平均3割
ララピールの売上21.6万円18人×12,000円
取り分50%のときの報酬10.8万円例。材料費の持ち方は契約で決める

※計算の例です。業務委託でメニューを足すときは、施術する美容所のオーナーと、メニューとして出せるか・売上の分け方・材料の持ち方を先に決めます。ララピールの講習は美容師免許があれば受けられ、ディプロマは店舗ごとに発行されます。

CHECK POINT 05取り分を上げるより、1回の単価を上げる。お客様の数が同じでも、報酬は増えます。

6. 業務委託のあなたの数字で確かめる

取り分や材料費の持ち方は、人によって違います。大事なのは、今の契約のまま、月にいくら足せるかです。歩合ごとの収入の早見表はアイリストの給料の平均と手取りにまとめています。

サロン診断では、働き方・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。業務委託でどう組み込むかは、レポートから予約できるオンライン面談でご案内します。

7. よくある質問

アイリストの業務委託の取り分の割合は、どれくらいですか?

割合はサロンや契約ごとに違い、公的な統計はありません。割合だけでなく、材料費や予約サイトの手数料をどちらが持つかまで並べて、手元に残る額で比べてください。

業務委託のアイリストは社会保険に入れますか?

業務委託は雇われる働き方ではないので、ふつうは会社の健康保険・厚生年金ではなく、国民健康保険と国民年金に自分で入ります。国民年金の保険料は令和8年度で月17,920円です。

業務委託なら、自宅や出張でまつげの施術をしてもいいですか?

できません。まつげエクステンションなどの施術には美容師免許が要り、保健所に届け出た美容所の中で行います。業務委託でも同じです。

業務委託のアイリストのデメリットは何ですか?

予約が少ない月は報酬がそのまま減ること、保険・年金・確定申告を自分で行うこと、集客をサロン任せにすると売上が伸びにくいことです。契約の前に、割合・負担・報酬を払う日を確かめます。

出典・参考にした資料

  1. 日本年金機構「国民年金保険料の金額は、いくらですか。」
  2. 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
  3. 美容師法(昭和32年法律第163号)第6条・第7条(e-Gov 法令検索)
  4. 厚生労働省「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」

※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。