1. 美容師の給料の平均:月31.5万円、真ん中は26.0万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)で、雇われて働く「理容・美容師」の毎月の給料を見ます。働く人が10人以上の会社のフルタイムの方の数字です。

数字金額メモ
毎月の給料の平均31.5万円残業代などを含む
基本の給料の平均30.3万円残業代を含まない
基本の給料の真ん中(中央値)26.0万円低い順に並べた真ん中の人
経験0年の基本の給料21.4万円その仕事の経験年数が0年の方

平均と真ん中で4万円以上の差があるのは、一部の高い給料の人が平均を引き上げているためです。経験の浅い方や、月の給料が25万円前後の方は、平均よりも真ん中の数字と比べたほうが実感に近いはずです。年収で見た数字は美容師の年収の記事にまとめています。

働いた時間で割ると、もう1つの見方ができます。平均は1か月に175時間と残業6時間で、毎月の給料31.5万円を割ると、1時間あたり約1,740円です。真ん中の26.0万円を175時間で割ると、約1,490円です。

2. 美容師の給料の手取りはいくら?額面ごとの計算

手取りは、額面の給料から社会保険料と税金を引いた額です。協会けんぽ(東京都)の令和8年度の保険料率と、国税庁の令和8年分の税額表で計算すると、次のようになります。

額面の月給社会保険料など所得税住民税(目安)手取りの目安
25万円約3.8万円約0.5万円約1.0万円約19.7万円
31.5万円約4.7万円約0.7万円約1.4万円約24.8万円
40万円約6.0万円約1.1万円約1.9万円約31.0万円

※計算の例です。東京都の協会けんぽ・40歳未満・独身で扶養なし・賞与なしとして、毎月同じ給料が1年続いた場合で出しています。

  • 社会保険料など:健康保険9.85%・厚生年金18.3%(どちらも会社と半分ずつ)、子ども・子育て支援金0.23%(同じく半分ずつ)、雇用保険0.5%
  • 所得税:令和8年分の月額表の甲欄(扶養0人)
  • 住民税:前の年の所得で決まるので、同じ給料が続いた場合の目安。1年目の方はかかっていないことがあります

どの額面でも、手取りは額面の約8割です。40歳以上の方は介護保険料(1.62%を半分ずつ)が加わり、手取りは月に2,000〜3,000円ほど少なくなります。

CHECK POINT 01手取りは額面の約8割。手取りを1万円増やすには、額面で約1.3万円の上乗せが要る計算です。

3. 美容師の給料の仕組み:4つの形

同じ月の給料でも、仕組みによって上がり方が違います。求人票や契約で、自分がどの形かを確かめてください。

形決まり方上がり方
固定給毎月決まった額昇給の時にだけ上がる
固定給+歩合基本の額に、売上の一部を足す売上が上がると上乗せが増える
完全歩合(雇用)売上の決まった割合売上がそのまま響く。下の月も同じ
業務委託給料ではなく、売上に応じた報酬報酬は増えやすいが、保険・税金は自分で

「歩合あり」と書いてあっても、指名の売上だけが対象の店、ある金額を超えた分だけが対象の店など、決まりはさまざまです。確かめたいのは、何の売上が対象か、いくらを超えた分か、割合はいくつか、の3つです。業務委託の場合の計算は業務委託の美容師の記事にあります。

4. 美容師の給料が低いと感じる理由

理由は、美容師の腕ではなく、仕事の形にあります。

  • 売上が時間に比例しやすい:カットやカラーは手を動かす時間で売上が生まれ、1日に担当できる人数に上限があります
  • 賞与が少ない:年間の賞与などは平均10.6万円で、給料の約0.3か月分です
  • 店の利益が薄い:日本政策金融公庫の調べ(2025年度)では、美容室の売上に対する営業利益は平均−1.9%で、給料の原資に余裕がない店が多くなっています
  • 経験10年ほどで伸びが止まる:同じ統計で、基本の給料は経験を積むだけでは上がり続けません

つまり、同じ店で同じメニューを続ける限り、給料には天井があります。1時間で生み出す売上を上げることが、給料を上げる土台です(時間単価の計算と組み方)。

5. 手取りを月3万円増やすには、売上がいくら要る?

手取りは額面の約8割なので、手取りを月3万円増やすには、額面で約3.8万円増やす必要があります。歩合の割合ごとに、要る月の売上の増加を計算します。

売上に対する歩合額面の増加要る売上の増加
10%約3.8万円約38万円
20%約3.8万円約19万円
30%約3.8万円約13万円

※計算の例です。歩合の決まりは店ごとに違います。

客単価8,000円で月19万円を増やすなら、月に約24人多く担当する計算です。すでに予約が埋まっている方には難しい数字です。そこで見直すのが、今のお客様の1回の単価です。

6. 今のお客様の単価を上げるメニューの例:ララピール

ララピールは、機械を使わず、専用の筆で2つの液を順に塗る顔のケアです。カラーと同じ日にでき、放置時間(20〜30分)に重ねられるので、担当の人数を増やさずに売上を足せます。美容師免許があれば、スタイリストでもアシスタントでも講習を受けられ、講習は1回です。

計算(例)数字メモ
増やしたい月の売上19万円歩合20%で手取り約3万円増の例
通常コース1回12,000円相場は10,000〜12,000円
要る回数月16回19万円÷12,000円
月55人を担当する場合3割で約16人導入サロンの平均3割

※計算の例です。雇われている方は、店がメニューを導入するかどうかと、売上が歩合の対象になるかを確かめてください。数字は目安で、収入を約束するものではありません。導入できるのは、美容師免許があり、美容所で施術できる人だけです。

7. あなたの売上で、手取りの増え方を確かめる

平均と比べるより、あなたの担当のお客様の数と1回の単価で、いくら増やせるかを計算するほうが、次の一手が見えます。

サロン診断では、働き方・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。

8. よくある質問

美容師の給料の平均はいくらですか?

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、理容・美容師の毎月の給料の平均は31.5万円(残業代などを含む)、基本の給料の中央値は26.0万円です。10人以上の会社のフルタイムの方の数字です。

美容師の手取りはいくらですか?

東京都・独身・扶養なし・40歳未満の計算例では、額面25万円で約19.7万円、31.5万円で約24.8万円、40万円で約31.0万円です。住む地域と家族の状況で変わります。

業務委託の報酬も、手取りは8割ですか?

計算が違います。業務委託では給料から天引きされず、国民健康保険・国民年金・税金を自分で払い、経費も差し引いて計算します。

アシスタントでも売上を作れますか?

店の決まりによります。ララピールの講習は、美容師免許があればアシスタントでも受けられます。売上が給料にどう反映されるかは、店に確かめてください。

出典・参考にした資料

  1. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表・第17表(e-Stat)
  2. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度保険料額表」都道府県単位保険料率
  3. 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
  4. 厚生労働省 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率について」
  5. 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 業種別経営指標(美容業)

※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。