1. 美容師の年収の平均は約389万円
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)には「理容・美容師」の区分があります。働く人が10人以上の会社に勤める、フルタイムの方の数字で、この区分の平均は次のとおりです。
| 数字 | 令和7年 | メモ |
|---|---|---|
| 毎月の給料 | 31.5万円 | 残業代などを含む(きまって支給する額) |
| うち基本の給料 | 30.3万円 | 残業代を含まない(所定内給与) |
| 年間の賞与など | 10.6万円 | 給料の約0.3か月分 |
| 年収の目安 | 約389万円 | 31.5万円×12+10.6万円 |
| 平均の年齢・勤続 | 30.0歳・6.8年 | 働く人は約49,670人 |
賞与が少なく、月の給料でほぼ年収が決まるのが美容師の特徴です。数字を読むときは、次の2つに注意してください。
- 9人以下のサロンは入っていない:統計の対象は10人以上の会社です。個人のサロンで働く方の数字は分かりません
- 独立・業務委託・フリーランスは入っていない:雇われて働く方だけの数字です
2. 美容師の年収の中央値:真ん中の人は約320万円台
平均は、一部の高い人に引っぱられます。同じ統計の給料の分布から、毎月の基本の給料を低い順に並べたときの位置を見ると、次のようになります。
| 並べたときの位置 | 毎月の基本の給料 | 12か月分 |
|---|---|---|
| 低いほうから10% | 19.7万円 | 約237万円 |
| 低いほうから25% | 21.6万円 | 約259万円 |
| 真ん中(中央値) | 26.0万円 | 約312万円 |
| 高いほうから25% | 34.9万円 | 約419万円 |
| 高いほうから10% | 45.6万円 | 約547万円 |
平均の30.3万円に対し、真ん中の人は26.0万円です。ここに賞与の平均10.6万円を足すと、年収の中央値の目安は約323万円になります(残業代は入っていません。統計に年収の中央値そのものは無いので、計算の目安です)。
同じ分布から、毎月の基本の給料が高い人の割合も数えられます。
「年収1000万円の美容師」は、雇われて働く方の中ではかなり少ないことが分かります。年収を大きく上げるには、働き方か売上の作り方を変える必要があります。
3. 年代・会社の大きさ・男女で見る美容師の年収
年代別では、20代前半の約285万円から、30代で500万円台が見え、45〜49歳の約557万円が高い山です。ただし40代は統計の約1割しかいません。くわしくは40代の美容師の年収にまとめています。ここでは、ほかの記事に無い2つの分け方を見ます。
会社の大きさ別
| 会社の人数 | 毎月の給料 | 賞与など | 年収の目安 | 平均の年齢 |
|---|---|---|---|---|
| 10〜99人 | 30.5万円 | 10.8万円 | 約376万円 | 31.3歳 |
| 100〜999人 | 32.3万円 | 9.1万円 | 約397万円 | 27.0歳 |
| 1,000人以上 | 38.0万円 | 27.9万円 | 約484万円 | 44.2歳 |
1,000人以上の年収が高く見えますが、平均の年齢が44.2歳と高く、人数も約1,720人と少ない区分です。同じ年齢どうしの比べではないので、「大きい会社なら上がる」とまでは言えません。
男女別
| 性別 | 毎月の給料 | 賞与など | 年収の目安 | 平均の年齢・勤続 |
|---|---|---|---|---|
| 男性 | 36.6万円 | 13.8万円 | 約453万円 | 31.5歳・8.6年 |
| 女性 | 29.0万円 | 9.1万円 | 約357万円 | 29.2歳・5.9年 |
差は約96万円ですが、女性のほうが平均の勤続が2.7年短く、20代前半の人数も多い区分です。経験年数が給料を大きく左右する仕事なので、勤続の差の分も数字に入っています。経験年数ごとの伸び方は美容師の将来性の記事で見られます。
4. 業務委託なら、年収いくらに売上はいくら要る?
業務委託やフリーランスの収入は国の統計に出てきません。売上と歩合で決まるので、計算で見ます。歩合50%の例で、年収ごとに要る月の売上を出すと次のとおりです。
| 受け取る年の報酬 | 月の報酬 | 要る月の売上(歩合50%の例) |
|---|---|---|
| 400万円 | 約33.3万円 | 約67万円 |
| 500万円 | 約41.7万円 | 約83万円 |
| 600万円 | 50万円 | 100万円 |
| 800万円 | 約66.7万円 | 約133万円 |
| 1,000万円 | 約83.3万円 | 約167万円 |
※計算の例です。歩合の割合は契約ごとに違います。報酬から国民健康保険・国民年金・税金と、自分で持つ経費を払います。
比べる目安として、日本政策金融公庫の調べ(2025年度)では、小さな美容室の働く人1人あたりの月の売上は平均約92.7万円、真ん中の会社で約67.1万円です。年の報酬600万円の月100万円は、平均を上回る売上です。歩合ごとの早見表は業務委託の美容師の記事にあります。
5. 美容師が年収を上げる4つの道
| 道 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 今の店で指名と売上を増やす | 歩合が給料に入っている人 | 1日に担当できる人数に上限がある |
| 店長・管理の役割に就く | 人を育てるのが得意な人 | 席数と店の利益で上限が決まる |
| 業務委託・独立に移る | 自分のお客様がいる人 | 保険・税金・経費を自分で持つ |
| 1回の来店の単価を上げる | どの働き方の人も | 今の時間に重ねられるメニューを選ぶ |
4つのうち、働き方を変えずに始められるのは1回の単価です。1人の美容師が1日に担当できる時間には限りがあるので、経験を積んで予約が埋まってくると、人数では年収が上がらなくなります。カラーの放置時間のように、お客様が席にいて手が空く時間に重ねられるメニューがあると、時間を増やさずに単価を上げられます。
6. 単価を上げるメニューの例:ララピールで年収はいくら変わるか
1回の来店に足せるメニューの例がララピールです。専用の筆で2つの液を順に塗る顔のケアで、機械はいりません。カラーと同じ日にでき、放置時間(20〜30分)に重ねられます。講習は1回で、美容師免許があればスタイリストでもアシスタントでも受けられます。
| 計算(例) | 数字 | メモ |
|---|---|---|
| 月に担当するお客様 | 60人 | 例 |
| ララピールを受ける方 | 18人 | 導入サロンの平均3割 |
| 増える月の売上 | 21.6万円 | 18人×通常コース12,000円 |
| 歩合50%の場合の報酬 | 月10.8万円 | 年にすると約130万円 |
※計算の例です。受け取る額は、給料の決まりや契約の歩合で変わります。数字は目安で、収入を約束するものではありません。導入できるのは、美容師免許があり、美容所で施術できる人だけです。
7. 自分の年収の伸びしろを、数字で確かめる
統計の平均は背景です。大事なのは、あなたの担当のお客様の数と1回の単価で、年収がどこまで伸ばせるかです。
サロン診断では、働き方・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。
8. よくある質問
美容師の平均年収はいくらですか?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、理容・美容師の区分で、毎月の給料31.5万円・年間の賞与など10.6万円から計算して約389万円です。10人以上の会社に勤めるフルタイムの方の数字です。
美容師の年収の中央値はいくらですか?
統計に年収の中央値そのものはありません。毎月の基本の給料の中央値は26.0万円で、12か月分に賞与の平均を足すと約323万円が目安です。
年収1000万円の美容師はどのくらいいますか?
雇われて働く方の統計では、毎月の基本の給料が100万円以上の方は約0.6%です。業務委託で歩合50%の例なら、月の売上は約167万円が要る計算です。
フリーランスの美容師の年収は統計で分かりますか?
賃金構造基本統計調査は雇われて働く方の調査なので、分かりません。売上と歩合、自分で持つ経費から計算します。
出典・参考にした資料
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第17表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値(e-Stat)
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 業種別経営指標(美容業)
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。





