1. 美容室の失客率の出し方
失客は「もう来なくなったお客様」のことですが、お客様は「やめます」とは言いません。そこで、何日来なければ失客と数えるかを、先に自分で決めます。
たとえば来店周期が41日のサロンなら、最後の来店から80日ほど来ていない方を失客の候補として数えます。来店周期が60日なら120日ほどです。周期の2倍は目安なので、メニューの間隔(カラーだけの方とカットだけの方など)で分けてもかまいません。
例:1月の初めに来店のあったお客様が200人で、そのうち半年のあいだに失客と数えた方が30人なら、失客率は15%です。新規の方と、2回目以降の方は分けて出すと、どこで離れているかが見えます。
2. 美容室の失客率の目安:公的な機関が出した資料の数字
美容室の失客率を全国でまとめた国の統計はありません。参考になるのが、日本政策金融公庫の「生活衛生だより」(2013年10月 No.171)の経営アドバイスです。美容機器メーカーのタカラベルモントが、POS(レジ)のデータ(2009年の調べ)をもとに、次の数字を紹介しています。
| 数字 | 内容 |
|---|---|
| 新規の固定化率 30% | 新規の100人のうち、3回目まで来たのは30人。残りの70人は失客 |
| 3回目まで来た方の 90% | その後もほぼ続けて来店 |
| 年間の利用額4万円以上の方 | お客様の上位20%で、売上の50%を占める |
| 失客率(年間の利用額4万円以上) | 約10% |
| 失客率(年間の利用額4万円未満) | 約50% |
2009年の調べなので、今の数字とは違うかもしれません。ただ、読み取れることは今も役に立ちます。1つは、失客の多くは「新規の方の2回目・3回目まで」に起きていること。もう1つは、年に使っていただく額が大きいお客様ほど、離れにくい傾向があることです。
3. 美容室の失客理由:防げるものと、防げないもの
失客の理由を全国で数えた公的な統計は見当たりません。ここでは、理由を「防げるもの」と「防げないもの」に分けて整理します。まずは防げるものから手を打ちます。
| 分け方 | 失客理由の例 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 次に来る時期が決まっていない | 行こうと思っているうちに間があき、ほかの店を試した | 施術中に次の時期を伝え、次のご予約をいただく |
| 予約が取りにくい | 行きたい日に空きがない | 次のご予約で先に枠を押さえる |
| 来る理由が髪だけ | ほかの店でも同じことができると感じた | そのサロンで受けたいメニューを1つ持つ |
| 仕上がり・会話 | 思った仕上がりと違った・話しにくかった | カウンセリングで希望を確かめる・前回の内容を記録する |
| 防げないもの | 引っ越し・生活の変化 | 追いかけず、紹介や口コミにつなげる |
公庫の資料でも、2回目のお客様を初回と同じ扱いにせず、前回のサービスや会話の内容を確かめておくことが、固定化を高めるポイントとして挙げられています。
4. 失客率が10%下がると、売上はいくら変わる?
失客を減らすと、年の売上にどれだけ効くかを計算します。2回目以降のお客様が200人、1回の客単価が8,000円、年に8回来るお客様(年の利用額6.4万円)のサロンとします。
| 失客率(年) | 1年で離れる方 | 失う年の売上 |
|---|---|---|
| 20% | 40人 | 256万円 |
| 10% | 20人 | 128万円 |
※計算の例です。離れる方×年の利用額6.4万円 で出しています。
失客率を20%から10%に下げるだけで、年に128万円分の売上が残る計算です。同じ額を新規のお客様で埋めようとすると、新規の7割が3回目までに離れる(公庫の資料の数字)ことを考えれば、もっと多くの新規の方を集める必要があります。
5. 来店周期で失客を防ぐ3つの方法
1.その日のうちに、次のご予約をいただく
来店周期の2倍を過ぎてから連絡するより、次に来る日を先に決めていただくほうが確実です。施術中に「次は○週間後がちょうどいい頃です」と理由をつけて伝え、特典を1つだけ用意します(次回予約率を上げるには?)。銀座のLUJUでは、次のご予約で10%引き、または30日以内にもう一度ララピールで3,000円引きの、どちらか1つをお付けしています。
2.来店周期を過ぎた方を、毎月決まった日に見る
月に1回、最後の来店から来店周期を過ぎた方を顧客台帳で拾い出します。周期の1.5倍ほどの方には、お店からひと言のご連絡を。2倍を過ぎてからでは、ほかのお店に移っていることが多くなります。
3.年に使っていただく額を、メニューで上げる
公庫の資料の数字では、年間の利用額が4万円以上のお客様の失客率は約10%でした。髪のメニューに、続けて通う理由になるメニューが加わると、来店の理由が増え、年の利用額も上がります。値上げではなく、受けたい方にだけ受けていただく形なら、お客様の負担感も小さく済みます(美容室の客単価の平均は?)。
6. 続けて通う理由になるメニュー:ララピール
ララピールは、最初の5〜6回を1〜2週間おき、そのあとは2週間〜1か月おきに受けていただく目安のメニューです。髪の来店のあいだにもう1回来る理由になり、次のご予約もお願いしやすくなります。
銀座のLUJUでは、2回目以降のリピート率は95%、来店周期は41日です。導入したサロンのうち、お客様への販売を始めた3店舗では、次回予約率が0%から約90%になりました(広告費0円)。
機械を使わず、カラーと同じ日にでき、放置時間に重ねられるので、今の席と時間のままで始められます。講習は1回で、フェイシャルの経験がなくても、その日からメニューに出せます。
7. 自分のサロンの失客を、数字で確かめる
まずは来店周期と、失客と数える日を決め、今月の失客率を出してみてください。数字が出れば、どこで離れているかが見えます。
サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。導入できるのは、美容師免許があり、美容所で施術できる方です。
8. よくある質問
美容室の失客率の平均はどれくらいですか?
全国でまとめた国の統計はありません。日本政策金融公庫の「生活衛生だより」(2013年)で紹介された2009年のPOSデータでは、新規の方の7割が3回目までに来なくなり、失客率は年間の利用額4万円以上の方で約10%、4万円未満の方で約50%でした。
何日来なければ失客と数えますか?
決まりはありません。自分のサロンの来店周期の2倍ほどを目安にすると分かりやすくなります。来店周期が41日なら、80日ほど来ていない方が失客の候補です。
失客したお客様に連絡してもいいですか?
来店周期の1.5倍ほどで、お店からひと言のご連絡をするのは自然です。何度も送ると負担に感じる方もいるので、1回にとどめ、次に来る理由(季節やメニューの案内)を添えます。
新規のお客様の失客を防ぐには?
2回目・3回目の来店がいちばん大事です。初回に次の時期と理由を伝えて次のご予約をいただき、2回目には前回の内容を確かめて接することが、固定化につながります。
出典・参考にした資料
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。





