1. 失客DMはいつ送る?来店周期から決める3回
DMを送る時期は「最後の来店から何日」で決めるより、そのお客様のいつもの来店周期から決めるほうが、早すぎず遅すぎずに届きます。来店周期が30日の方と60日の方では、「最近来ていない」と感じる日がちがうからです。
ここでは、次の3回に分けて送る例を紹介します。日数は目安の例なので、自分のサロンの数字に置きかえてください。
| 送る時期(例) | 周期30日の方 | 周期41日の方 | 周期60日の方 | 役目 |
|---|---|---|---|---|
| 1通目:周期+2週間 | 44日目 | 55日目 | 74日目 | そろそろの時期のお知らせ |
| 2通目:周期の2倍 | 60日目 | 82日目 | 120日目 | 来なくなったと数える日の前の一言 |
| 3通目:半年 | 約180日目 | 約180日目 | 約180日目 | 季節のご案内として軽く |
周期41日は、銀座のLUJU(運営会社の自店)のお客様の来店周期です。LUJUのように41日おきに来る方なら、55日目に1通目、82日目に2通目となります。2通目の「周期の2倍」は、失客率の出し方で、来なくなったと数える日の目安にしている日数です。
3通より多く送ると、お客様にとっては「しつこい」に変わりやすくなります。3通目のあとは、季節のお知らせを年に数回送るくらいにとどめます。
2. 1人戻ると、年にいくら変わる?
DMにかける手間を決めるために、1人のお客様が戻ったときの年の売上を計算しておきます。
| 計算 | 数字 | メモ |
|---|---|---|
| 来店周期 | 41日 | LUJUの来店周期 |
| 年の来店回数 | 約8.9回 | 365日÷41日 |
| 1回の単価 | 8,000円 | 例 |
| 1人の年の売上 | 約7.1万円 | 約8.9回×8,000円 |
日本政策金融公庫の「生活衛生だより」に載った資料では、年間の利用額が4万円以上のお客様の失客率は約10%、4万円未満の方は約50%とされています。年に約7万円使ってくださる方は、本来は離れにくい層です。その方が間をあけているなら、DMで「次の時期」を思い出していただく価値は大きいと言えます。
反対に、年に1〜2回しか来ない方には、何度も送るより、季節のご案内を年に数回送るほうが負担になりません。
3. 失客DMの例文3つ(LINE・はがき・メール)
例文は、どれも「責めない」「理由を1つだけ」「返事をしなくてもよい」の3つを守っています。〇〇の所は、サロンとお客様に合わせて書きかえてください。
1通目(周期+2週間):LINE
「〇〇様、こんにちは。〇〇(サロン名)の〇〇です。前回のカラーから少したち、根元が気になってくる頃かと思いご連絡しました。〇月は平日の午後に空きがございます。ご都合のよいときにお声がけください。」
2通目(周期の2倍):はがき
「〇〇様 すっかり〇〇の季節になりました。いつもありがとうございます。前回お話ししていた〇〇(例:髪の乾燥)は、その後いかがですか。この季節に合わせた〇〇をご用意しています。またお会いできるのを楽しみにしています。〇〇(担当の名前)」
3通目(半年):メール
「件名:〇〇(サロン名)より 季節のご案内 / 〇〇様 いつもありがとうございます。今月から〇〇(新しいメニュー)を始めました。前回より〇〇(例:お時間を短く)してお受けいただけます。ご予約はこちらから(予約ページ)。 ※このようなご案内が不要な方は、こちらからお知らせください(配信停止の方法)。送信者:〇〇(サロン名)」
使わないほうがよい一言
- 「最近お見えにならないので心配しています」:責められているように感じる方がいる
- 「今だけ」「残りわずか」:急がせる言葉は、間をあけている方ほど遠ざける
- 値引きを何度も重ねる:次から値引きのDMを待つようになる
4. 送る前に確かめる決まり(メール・LINE)
広告や宣伝のためのメールには「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」があります。原則は、あらかじめ同意をいただいた方などにだけ送ることができ(第3条)、取引のある方は例外に入ります。ただし、どちらの場合も次のことを守ります。
- 送り主の名前(サロン名)を正しく書く(第4条)
- 配信を止めたいときの連絡先を書き、止めてほしいと言われたら送らない(第3条第3項・第4条)
- 同意をいただいた場合は、その記録を残す(第3条第2項)
LINE公式アカウントは、お客様が友だち追加した相手にだけ届く仕組みです。それでも、送りすぎるとブロックされるので、上の3回の目安を守ります。はがきやメールのために預かった住所やアドレスは、カルテを作るときにお伝えした使いみちの中で使います。
5. DMより効くのは「戻る理由」になるメニュー
DMは思い出していただくきっかけです。戻っていただく理由そのものは、サロンの中にある必要があります。髪のメニューだけだと「次に行く理由」は伸びた長さや色になり、ほかのサロンでも同じことができると感じられやすくなります。
そこで効くのが、通う間隔が決まっていて、そのサロンで続けたいと思えるメニューです。たとえばララピールは、最初の5〜6回を1〜2週間おきに、そのあとは2週間〜1か月おきに受けていただく流れです。DMに書く「次に来る理由」が、髪の伸びだけでなくなります。
LUJUでは、次のご予約で10%引き、または30日以内にもう一度ララピールを受けると3,000円引きの、どちらか1つをお付けしています。戻ってくださった方にこの特典をお伝えすると、次の来店まで決まりやすくなります。導入しているサロンでは、いつものお客様の平均3割がララピールを注文しています。
6. 自分のサロンで、誰に・いつ送るかを決める
まずは、去年よく来ていた方のうち、来店周期の2倍を過ぎている方を数えてみてください。その人数に、1人の年の売上を掛けた額が、DMで取り戻せるかもしれない売上の目安です。
サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。次のご予約の聞き方は次回予約率を上げる特典の決め方と聞き方にまとめています。
7. よくある質問
失客したお客様へのDMは、いつ送ればいいですか?
そのお客様の来店周期をもとに、周期+2週間・周期の2倍・半年の3回に分けて送るのが目安の例です。周期41日の方なら、55日目・82日目・約180日目になります。
失客DMに割引を付けたほうがいいですか?
付けるなら1回だけにします。何度も重ねると、次から割引のDMを待つようになります。割引より、季節や前回の話と、次に来る理由を1つ書くほうが押し売りになりません。
お客様にメールでDMを送ってもいいですか?
特定電子メール法では、同意をいただいた方や取引のある方などに送ることができます。どの場合も、送り主の名前と、配信を止める方法を書き、止めてほしいと言われたら送らないようにします。
何回送っても来ないお客様はどうすればいいですか?
3回送って反応がなければ、季節のご案内を年に数回送るくらいにとどめます。送りすぎるとLINEのブロックや配信停止につながり、ほかのお知らせも届かなくなります。
出典・参考にした資料
- 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)第3条・第4条(e-Gov 法令検索)
- 総務省「迷惑メール対策」
- 日本政策金融公庫「生活衛生だより」2013年10月 No.171 経営アドバイス「繁盛のポイント」(株式会社タカラベルモント)
- LUJU(銀座)の来店データ・特典(運営会社の自店)
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。





