1. アイリストの売上の平均は?公的な数字で見る
「アイリスト 売上 平均」と調べると、求人のページや個人の体験の数字がたくさん出てきます。ただ、国や公的な機関が出している数字の中に、アイリストだけの売上はありません。
いちばん近いのは、日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度、美容業)です。小さな美容のお店の決算から、働く人1人あたりの売上を出しています。
| 区分 | 1人あたりの年の売上 | 月にすると |
|---|---|---|
| 全体の平均 | 1,113万円 | 約92.7万円 |
| 黒字の会社の平均 | 1,318万円 | 約109.8万円 |
| 真ん中の会社(中央値) | 805万円 | 約67.1万円 |
この数字は美容業全体のもので、髪の美容室もまつげのサロンも入っています。また、働く人にはアシスタントや受付の方も入るので、施術する人1人の売上とは少し違います。計算の仕方は美容室の生産性の記事にまとめています。
求人のページによく出る「売上100万円で月給○万円」は、そのサロンの歩合の例です。平均ではないので、自分の契約の歩合で計算し直すのが確かです。
2. 売上50万・80万・100万に必要な人数
アイリストの売上は「月に施術するお客様の数 × 1回の単価」です。単価ごとに、月の売上に必要な人数を出すと次のようになります。
| 月の売上 | 単価6,000円 | 単価8,000円 | 単価10,000円 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 約84人(1日3.8人) | 約63人(1日2.9人) | 50人(1日2.3人) |
| 80万円 | 約134人(1日6.1人) | 100人(1日4.5人) | 80人(1日3.6人) |
| 100万円 | 約167人(1日7.6人) | 125人(1日5.7人) | 100人(1日4.5人) |
※1日の人数は、月22日働く例で計算しています。単価はまつげエクステンション・まつげパーマなどの例です。
表を見ると、同じ売上100万円でも、単価6,000円なら1日7〜8人、単価10,000円なら1日4〜5人で届きます。1人で施術するアイリストにとって、この差はとても大きいものです。
3. 1日に施術できる人数には上限がある
人数を増やせば売上は上がりますが、1人のアイリストが1日に施術できる人数には上限があります。施術とカウンセリングで90分、片づけと準備で15分かかる例で計算してみます。
※時間と単価は計算の例です。自分の施術時間と単価に置きかえてください。
この例では、予約が毎日すべて埋まっても、月の売上は約80万円で止まります。売上100万円に届くには、1回の単価を約10,000円に上げるか、施術時間を短くするかのどちらかが必要です。施術を急ぐと仕上がりやお客様の満足に響くので、多くの場合は単価を上げるほうが現実的です。
4. 売上50万・80万・100万の給料早見表
雇われて働く場合は、売上に歩合をかけた額が給料の目安になります(固定給と歩合の高いほうを払う、などの決め方もあります)。業務委託の場合は、受け取った報酬から国民年金や国民健康保険、税金を自分で払います。
| 月の売上 | 歩合30% | 歩合40% | 業務委託50% | 業務委託50%から国民年金を引くと |
|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 15万円 | 20万円 | 25万円 | 約23.2万円 |
| 80万円 | 24万円 | 32万円 | 40万円 | 約38.2万円 |
| 100万円 | 30万円 | 40万円 | 50万円 | 約48.2万円 |
※歩合と取り分の割合は計算の例です。国民年金は令和8年度の月17,920円(日本年金機構)で引いています。国民健康保険と税金は、住んでいる地域や前の年の収入で変わるので、この表には入れていません。
業務委託では、材料費を自分で持つ契約もあります。取り分の割合だけで比べず、材料費を引いたあとの額で比べてください(アイリストの業務委託の取り分と手取り)。
表のどの列でも、売上が50万円から100万円になると、受け取る額はほぼ2倍になります。歩合の割合を10%上げてもらう交渉より、自分の売上を上げるほうが、受け取る額への効き目は大きくなりやすいのです。
5. 単価を上げる3つの方法
1.まつげと眉を、同じご予約で受けていただく
まつげの施術のあとに眉を整えるなど、同じベッドの上で続けてできるメニューは、お客様の移動もなく受けていただきやすい組み合わせです。
2.次のご予約で、来店の間隔を守る
単価を上げても、来店の間隔が延びると月の売上は増えません。お帰りの前に次の時期をお伝えし、その場でご予約をいただきます(次回予約率を上げる特典と聞き方)。
3.美容師免許だからできる、顔のケアを足す
アイリストは美容師免許を持っています。化粧品を使った顔の施術は美容師法の「美容」に入るとされているので、保健所に届け出た美容所で施術できるなら、顔のケアもメニューにできます。
6. 顔のケアを足すと、売上はいくら変わる?
顔のケアの一例がララピールです。機械を使わず、専用の筆で2つの液を順に塗る施術で、通常コースは30〜40分。まつげ・眉のサロンでは、いつものベッドや倒れる椅子でそのままでき、まつげパーマや眉のワックスと同じ日にも組めます。
| 計算 | 数字 | メモ |
|---|---|---|
| 今の月の売上 | 80万円 | 100人×8,000円の例 |
| ララピールを受ける方 | 30人 | 導入サロンの平均3割 |
| ララピールの売上 | 36万円 | 通常コース12,000円×30人 |
| 材料費 | 約3万円 | 1回約1,000円×30人 |
| 足したあとの月の売上 | 約116万円 | 80万円+36万円 |
※数字は計算の例で、売上を約束するものではありません。通常コースの相場は10,000〜12,000円で、材料費は料金の1割ほどです。
人数は100人のままでも、売上は100万円を越える計算です。ただし、顔のケアのぶん1人あたりの時間は30〜40分延びるので、予約の組み方は自分の空き時間と合わせて考えます。
導入できるのは、美容師免許があり、保健所に届け出た美容所で施術できる方だけです。講習は1回で、フェイシャルの経験がなくても、その日からメニューに出せます。
7. 自分の売上の天井を、数字で確かめる
まずは、自分の1回の施術時間・単価・月に働く日数を書き出して、上の「上限」の計算に当てはめてみてください。今の売上が天井に近いなら、人数より単価を考える時期です。
サロン診断では、スタッフの人数・メインのメニュー・月の売上と客数など6つの質問から、ララピールを入れたときの売上の見込みをレポートでお届けします。
8. よくある質問
アイリストの売上の平均はいくらですか?
アイリストだけの公的な統計はありません。近い数字として、日本政策金融公庫の調べ(2025年度、美容業)では、働く人1人あたりの売上が月約92.7万円、真ん中の会社で約67.1万円です。
アイリストで売上100万円だと、給料はいくらですか?
歩合の割合で変わります。歩合30%なら30万円、40%なら40万円が目安です。業務委託で50%なら50万円を受け取り、そこから国民年金(令和8年度は月17,920円)や国民健康保険、税金を自分で払います。
売上100万円には、1日何人の施術が必要ですか?
月22日働く例で、単価8,000円なら1日約5.7人、単価10,000円なら1日約4.5人です。1人にかかる時間から1日の上限を出し、届かない分は単価で埋めると考えると現実的です。
アイリストが顔のケアのメニューを出してもいいですか?
化粧品を使った顔の施術は美容師法の「美容」に入るとされ、美容師免許のある人が、保健所に届け出た美容所で行えます。免許の無い人は施術できません。
出典・参考にした資料
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 業種別経営指標(美容業)
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査 従業者規模別経営指標(美容業)
- 日本年金機構「国民年金保険料の金額は、いくらですか。」
- 厚生労働省「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」ほか
※料金・材料費・施術時間は公式資料(2026年時点)と導入サロンの例です。数字は目安と計算の例で、売上や来店数を約束するものではありません。実際の提供内容と条件は、導入相談のときにご案内します。




